「KIMONO PROJECT イマジンワンワールド」ーギニアビサウー 振袖制作 完成

「KIMONO PROJECT イマジンワンワールド」ーギニアビサウー 振袖制作 完成

「KIMONO PROJECT イマジンワンワールド」https://www.facebook.com/imagineoneworld/

ーギニアビサウー 振袖制作

完成

「やっと」というべきか、「とうとう」というべきか・・少し複雑な感情ですが、仮絵羽(仮に着物の形に縫い合わせる)が上がり振袖制作も完成です。

実際に生地に作業をし始めたのは今年に入ってからですが、お国を調べたり、構想を練っている時間を加えると、もっと前からかなりの時間をかけて制作していたんだなと今さらながら思います。

最初にギニアビサウという国名を聞いたときは、?となりましたが、お声をかけていただけたことは光栄なことなのでお引き受けしたことを思い出します。

ネットで検索してもサクッとは情報が出てこず、外務省やJICAにも問い合わせしましたが、有力な情報はあまりなかったです。

かなりネットで探して、日本のどこかの機関の報告書をみつけ、ギニアビサウには何ヶ所か保護地区があり、様々な動物がいること、日本国際協力センター(JICE)の広報(活動報告)で、外務省から日本に2人の留学生がいることを聞いていたうちのお1人の情報をみつけることができました。

ギニアビサウの留学生が都内の小学校で講演をしたという記事でした。

そのJICEに問い合わせをして、JICEの方が間に入ってその留学生とコンタクトが取れたのは大きかったです。

サメの仮面や牛の仮面をつけて踊る牛の仮面踊り、サメ踊りはギニアビサウ特有のものだと聞くことができ、仮面の画像も数枚送っていただきました。ギニアビサウ特有のものをネットで探すのには限界があったのでそれが聞けたことと、手元には1枚の牛の仮面の画像しかなかったので大変助かりました。

その後も数回に分けて制作過程の画像をJICEにお送りして、留学生にも見ていただいています。

その方は9月に大学を卒業されるようで、日本にその後最大でも6ヶ月の滞在しかできないので、実物を見れないということをJICEの方が気にされていました。何かそういう機会があればいいのですが・・・。

そういった情報収集をへてカシューナッツの栽培、保護地区でイルカ、海牛、ウミガメ、フラミンゴが多くみられるということに焦点を当てて構図を考えました。

日本にはギニアビサウの大使館はなく中国にある大使館が日本も兼任しているので(中国の大使へ手紙を出したが返事はきませんでした)、デザインはイマジンワンワールドの高倉さんにお見せして判断していただきました。

最初は水生生物主体での構図を提案したのですが、、ギニアビサウには海だけでなく陸地もあるからそちらの要素も含めてはどうか、ということでサバンナモンキーを入れて構図を完成させました。

カシューナッツとマングローブ林、フラミンゴで額縁のように水生生物を囲み図案に奥行きを出し、水生生物は空からの視点と水中からの視点のふたつで表現しています。私は絵画的な表現が多いので、視点は一方向から描くことがほとんどですが、今回は1枚の絵の中で視点をふたつにして、尚且つ自然な形でそれを表現することにチャレンジしています。

デザイン的な表現、柄として考えた場合はそういうことは普通にされているのかもしれませんが・・。

配色もギニアビサウの国旗に使われている、黒、緑、黄、赤を連想させるように、マングローブ林を黒、カシューナッツを緑、マングローブ林の向こうの背景(土をイメージ)を黄、フラミンゴを赤(厳密に言えばピンクですが赤ということで(^-^;)で表現しています。

完成を見て、こうすればよかった、ああすればよかった、ということはあるもので、それが染色というものだと思っています。

それが100%の力を出していないということではなく、出しきったけれどより良くするにはこうすればよかったということ。

修行中の頃、よく先生が、皆川月華先生が染色とは、「ああすればよかった、こうすればよかったということに尽きる」と言っていたと話していました。(厳密にこういう言いまわしだったかは記憶が定かではありませんが)この言葉の意味までは教えてもらえてなかったように思いますが、私の解釈では、「完ぺきにこなしたと思っても完ぺきなものはない。絶えず努力をしないといけない」というようなことなのかなと思っています。

今回は肩の濃いブルーのぼかしをもっと馴染むように、消えていくようにできればより良かったなと。そうすることで、より自然に水中へと視線を向けれたのではないかと思います。そう意味では裾のぼかしの方ができています。肩のぼかしもこうできればよかったなと。

今回の制作では、金箔や絵羽、水洗は専門の方にお願いしてますが、その他の工程は全てひとりで行いました。金箔は父と兄に頼みました(^-^)。

ひとりでそこまでやった方はそんなにおられないだろう!と自画自賛してます。

 

このプロジェクトに参加できて、忘れていた独立当初の気持ちや自信を復活させてもらえたと感じています。長らく色挿しメインの仕事をしているので、工房が本来の形(すべての工程ができる)で動けたことはうれしかったです。

これを機会にそういうお仕事も増やせていけたらと思います。

個人様企業様問わず、お仕事の依頼大募集です!

 

お声掛けいただいたこと、繋げていただけたこと、今までに関わっていただいた全ての方に感謝します。

ありがとうございます。

ギニアビサウ振袖制作 完成

全体

ギニアビサウ振袖制作 上部

上部

ギニアビサウ振袖制作 裾

ギニアビサウ振袖制作 仮面

牛の仮面・サメの仮面

ギニアビサウ振袖制作 サバンナモンキー

サバンナモンキー

ギニアビサウ振袖制作 フラミンゴ

フラミンゴ

ギニアビサウ振袖制作 マナティ

カシューナッツ・マナティ