絵画を纏うストール 白鳳凰 トラブル
絵画を纏うストール。
白鳳凰。
引染が終わり、蒸し水元を終えてひとまず染める作業は終わりましたが、少しトラブルです。
前回の投稿で濃い地色は要注意と書いていたのですが、まさにその通りに…。
地色がイライラ(スカッとせずムラになる)してしまいました。
伏せが甘かったのか、うっすらと地色が入ったところもありました。
一見問題ないように見えるのですが、よく見ると地色にムラがあり、裏側の方が目につきました。
原因はおそらく、蒸しの時に蒸気がそこの部分だけ勢いよく生地に当たっていたんだろうと思います。そのことで生地が必要以上に湿ってしまい色が動いてしまったんだろうと推測します。
円筒型の蒸し器ではごく稀にこういうことがおこります。なぜそうなるのかはわかりません。偶然がいくつか重なっておこるのでしょう。
※蒸しは生地を蒸すことで染料を定着させることで、水元は生地の余分な染料や糊を洗い落とすことです。
残念ですが、今回は売り物にはなりません。ですが、鳳凰の友禅(色挿し)はうまくいっていると思うので、何かのイベントの時にタペストリー的に使ってその場の賑やかしにしたいと思います。
この柄を気に入っていただけたら新たにお作りすることはできます。今回トラブルになったからといって、次も必ずトラブルになるということはないので。気に入った方がおられたらご相談ください。
デザイン化された柄は使いやすいのかもしれませんが、あえて絵画のように表現し、絵画を纏うということをしてもらえたら…と考えたものです。
素材:シルク
サイズ:約55×200㎝(完成予定)
手描友禅は江戸時代(約18世紀)より受け継いできた着物を染めるための技術です。輪郭に糊を置いて、柄を絵画を描くように筆で彩色する染色技法です。
京都では分業が多いのですが、私はデザインから地染めまで全ての行程をひとりで行います。完成までに多数の人を介すことがないので、細かな対応ができます。
着物、帯の他、ストールやファブリックパネルなどのオーダーも承っています。個人様、業者様問わず、オリジナルなものを作りたい方はお気軽にご連絡ください。
いい雰囲気に上がっているのですが、残念です。
よく見れば首の所に色がうっすら入っています
いい感じです。自己満ですが(^-^;