ファブリックパネル「霞がさね鴛鴦」色挿し
ファブリックパネル「霞がさね鴛鴦」
前回、柄の輪郭線の上に糊を置く「糸目糊置き」まで投稿したので今回は「色挿し」(彩色)の投稿です。
糸目糊で囲った柄の中を筆や刷毛を使って彩色していきます。
後染め(柄を彩色してから地色を染める)なので地色の入った完成形を想像しながら配色し彩色していきます。
鴛鴦と波の彩色です。
下から電熱で乾かしながら彩色します。
糸目糊が壁となって、彩色した染料を柄からにじみ出ないようにする作用があるのですが、完璧に防げるわけではないのと、隣り合う色が乾いてない状態だとお互いの色がにじみあうので乾かしながら作業します。
※糸目糊とは柄の輪郭線の上に糊を置き、それが壁となって柄の中に塗った染料が柄の外へとにじみ出ない作用があり、最終、洗い落とすと白い輪郭線となるものです。この技法により多彩で絵画的な表現ができるようになったとされています。手描友禅の特徴でもあります。
題名の「霞がさね」とは、生地を重ねて透け感を活かしたデザインで、柄が霞がかかったように見えるのでそのように名付けました。
手描友禅は江戸時代(約18世紀)より受け継いできた、輪郭に糊を置いて、柄を絵画を描くように筆で彩色する染色技法です。
京都では分業が多いのですが、私はデザインから地染めまで全ての行程をひとりで行います。完成までに多数の人を介すことがないので、細かな対応ができます。
個人様、企業様問わず、オリジナルなものを作りたい方はお気軽にご連絡ください。オーダー承ってます。
糸目糊からはみ出ないように塗ります。
透けている生地は糸目糊の位置や彩色したところがわかりにくいので慎重に塗っていきます。